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ぷちルシちゃんの憂鬱


 ぺたっ


 はぁ…憂鬱。
 前々から自信のある方ではなかったが、それでも


 ふにっ


 だったのに…
 この完膚なきまでの幼児体型、小学生を通り越して幼稚園児。
 うぅ…このままじゃ、横島に会いに行っても子供扱いされるのがオチだわ。
 なまじ魔力が強いおかげで、そう好き勝手に人間界に行く事ができないのがある意味救いね。横島に会いたい自分を抑制する枷になってくれているし。



「姉さん、ゴハンができたよ」
「あ、うん。すぐに行くわ」
 ベスパったらエプロン似合うわね。料理はほとんどハニワ兵にさせてるクセに…それに、そのぽよんぽよん。どうせなら復活させる時に私に分けてくれてもよかったじゃない。
「…姉さん。だいたい何考えてるかわかる目付きだけどね、こればっかりはあたしも協力できないぞ。生まれた時からこうだったんだから」
 何か、とっても不公平だわ…





「ベスパ、ルシオラ、いるか?」
 あら、お客様。今の声は…ワルキューレね
「なんだい、飯時に」
「そう言うな、これも任務だ」
 よりによってまたばいんばいんなのが来たわねぇ。実力で負けるつもりはないけど、こればっかりは完全敗北だわ。

「ねぇ、ワルキューレ…」
「なんだ?」
「あなた達みたいになるには乳製品がいいわよね?」
「根拠があるのかどうかは知らんが、牛乳を飲むと良いという話は聞いた事あるな」

「出して」
「「出るわけねーだろ!」」

 2人してヒドいわ。
 そんな牛みたいなんだから、少しぐらいサービスしてくれてもいいじゃない。
「そういう問題ではない」
「はぁ〜。やっぱりヨコシマの影響かなぁ…」
「…苦労するな」
「いいんだよ。元気でさえいてくれたら」
 コラそこ、なに友情深めあってるの。
「…まぁ、いい。ルシオラ、お前に手紙だ」
 私に? 私に手紙を送ってくるような知り合い…心当たりないわね。一体誰からかしら? えーっと…



 ぷぴっ



 ま、ま、ま、魔界の最高指導者からじゃない!
 思わず吹き出しちゃったわ!!
 い、一体何を…












     『前より将来性アリ
                   サっちゃん』


 そ、そうよね! 私、頑張るわ! まるで目からウロコが落ちたみたい!
 いつかぱよんっぱよんっになって横島に会いに行くためにッ!!
 ルシオラちゃん、ふぁいとぉ! おーっ!



「と言うわけでベスパちゃん、出して」
「出るかッ!」



おわる



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