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見習GSアスナ極楽大作戦! 人物辞典


3年A組麻帆良学園 教師麻帆良学園 生徒京都

 この人物辞典は『見習GSアスナ極楽大作戦! File.60』終了時点における
 原作とは異なるオリジナル設定、
 原作の設定の隙間を埋めるためのオリジナル設定、
 原作で触れられてない舞台を書くためのオリジナル設定、
 原作の断片的な情報から私なりに解釈したオリジナル設定等について書かれています。

 以下に書かれているのは、あくまで『見習GSアスナ極楽大作戦!』シリーズをより理解していただくための情報に過ぎず、これが正しい解釈だと言うつもりは毛頭ありません。
 『見習GSアスナ極楽大作戦!』シリーズが、この設定に基づいて書かれているだけです。
 ご了承下さい。

3年A組


神楽坂 明日菜(カグラザカ アスナ)
 ツインテールとオッドアイがトレードマークで、新聞配達のアルバイトをしている健脚の勤労少女。
 学校の成績はかなり悪く、クラス内ワースト5に入っており『バカレンジャー』と呼ばれている。
 アスナは『バカレッド』、レッドだがリーダーではない。
 子供嫌いを自称しているが、本人にも精神的に子供っぽい面がある。

 孤児であり、保護者は麻帆良学園長、近衛近右衛門。幼い頃は忙しい彼に代わり麻帆良学園教師の高畑が親代わりとして面倒を見ていた。学費等の面倒を見てもらっており、それを返済するために一攫千金を稼げる仕事、GSになりたいと思っていた。

 GS協会から麻帆良学園都市に派遣されてきたGS横島忠夫と出会い、弟子入りを果たす。
 しかし、一般人の彼女から見ればGSは別世界の話であり、GSと言えば『美神令子』、『神通棍と破魔札』、『莫大な報酬』のイメージしか持っていなかったため、横島を知った時は色々と戸惑うこともあったらしい。

 修学旅行中に横島と『仮契約(パクティオー)』を行い、アーティファクト『ハマノツルギ』を手に入れた。
 ちなみに『ハマノツルギ』の正式名称は『ensis exorcizans(エンシス・エクソルキザンス)』直訳すると『魔を祓う太刀』なのだが、カモがアスナ向けに適当に意訳して紹介したため『ハマノツルギ』と呼ばれている。

 また、ヘルマン一味との戦いの最中にツっこみ魂から霊力に目覚める。
 これで彼女もようやく「除霊助手」ではなく「GS見習い」としてのスタートラインに立てたと言える。

 師である横島に対し憧れ以上の感情を抱いているが、それと同じような感情を高畑に対しても持っている。しかし、それが何であるかは本人も分かっているとは言い難い。
 この辺りに関しては、まだまだこれからと言ったところであろう。

 『見習GS』としての木乃香、『除霊助手』としての古菲、『魔法使いの従者(ミニステル・マギ)』としての夕映等々、周囲各方面に競争相手、目標となる人物が多く、クラス内外にアスナ包囲網が敷かれている事に本人は気付いていない。

ネギ・スプリングフィールド
 麻帆良女子中学校3年A組担任の子供先生。
 御年九歳の少年だが、年齢に見合わぬ聡明さを持ち、物事を深く考え過ぎてしまったり、子供らしからぬ遠慮をしてしまう事がしばしばある。

 父親は英雄と謳われる『千の呪文の男(サウザンド・マスター)』ナギ・スプリングフィールド。
 ネギは一度だけ会った事がある彼を尊敬しており、所謂『ファザコン』とはまた異なるが、精神的に依存している。
 幼い頃は「ピンチになるとお父さんが助けに来てくれる」と、自らを危険に晒す事を繰り返していた時期もあった。一度、真冬の氷の張った湖に飛び込み、生死の境を彷徨った事もある。

 魔法界出身。メルディアナ魔法学院を卒業し、一人前の魔法使いになる修行として麻帆良学園で教師をしている。魔法使いの世界では、まだ一人前として認められていない。

 最近エヴァに弟子入りし、日々過酷な修行に励んでいる。
 『魔法使い』となるか『魔法剣士』となるかで迷っていたが、己の戦いを見詰めなおし、周囲からのアドバイスも受けて『戦える魔法使い』になる事を決意した。

 現在は麻帆良学園都市内の麻帆良女子中学校で教鞭を取りつつ、『フェイト』と名乗る少年魔法使いに勝つべく、エヴァに弟子入りして魔法使いとして修行中。
 父が終結させた東西の大戦を起こした発端である彼に対し、なみなみならぬ対抗心を抱いている。

 師匠は異なるが、『弟子』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人。
 ネギは、優しい師匠である横島を羨ましく思っているが、エヴァが怖くて口には出せずにいる。

アルベール・カモミール
 ネギのペットを務める由緒正しいオコジョ妖精。ネギと同じく魔法界出身。
 自分専用のモバイルを持っており、『まほネット』サーフィンを趣味にしている文明的オコジョ。
 損得勘定に聡く、腹黒い性格をしているが、彼にとって命の恩人であるネギには忠実に仕えている。

 虎視眈々と『仮契約(パクティオー)』を成立させようと目論むが、失敗する事が多い。
 とは言え、ネギにとっては冷静に状況を判断できる重要な参謀である事は確かだ。

相坂 さよ(アイサカ サヨ)
 麻帆良女子中学校で六十余年もの長きに渡って地縛霊をしていた幽霊少女。3年A組教室の最前列窓際が彼女の席――2年A組の出席簿にも載っていたと言うことは、あの学校、進級しても教室替えは無い?

 何とか自分の存在に気付いてもらおうと、教室で霊力を使う練習をしていたアスナの神通棍に憑依。そのまま横島の下に運ばれてしまったおかげで、その存在に気付いてもらう事ができた。

 その後、横島の『誠意を込めた』依頼で、エヴァンジェリンがチャチャゼロと同タイプのボディを製作。
 赤子サイズではあるが、その身体は誰にでも触れる事ができ、人形の口を通して発する声は一般人にも届く。これにより、さよは皆に認知してもらえるようになった。

 ただし、人形さよの状態では、幽霊の時と違って空を飛ぶことができない。
 幽霊さよが人形の身体に触れた時点で両者は霊的に繋がってしまうため、人形から抜け出し幽霊状態で運ぶと言う方法も使えない。これは、一部分でも霊体が触れた時点で、人形がさよの身体となってしまうためである。

 現在は和美の部屋に居候中。
 桜子とも仲が良く、二人が一緒に居ることも多い。

明石 裕奈(アカシ ユウナ)
 バスケットボール部に所属する元気一杯の能天気少女。麻帆良大学の明石教授の娘。
 少々無防備過ぎる面があり、横島とも親しく、彼を「横島兄ちゃん」と呼び慕っている。
 ネギとエヴァンジェリンの戦いに巻き込まれた事で魔法使いの事情を知り、エヴァとも親しくなった。

 最近は昼休みになると、屋上に居るエヴァの下に押しかけて一緒にお弁当を広げる仲になっている。
 おかずの交換をしようとした際に「それは冷凍物だ」と言われてしまったため、それを挑戦と受け取った裕奈は、茶々丸から料理を習い始めた。父子家庭であるため元々料理はしていたので、意外にも着々と腕を伸ばしているようだ。
 結局のところ、裕奈が家を訪れる機会が増えてしまったため、エヴァは失敗したと思っているとか。

 修学旅行以来、横島の事を「横島兄ちゃん」と呼び仲が良い彼女は、『妹分』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人である。

朝倉 和美(アサクラ カズミ)
 麻帆良学園報道部のリポーター。通称、『麻帆良パパラッチ』と呼ばれ、恐れられている突撃班の一員。
 修学旅行中にネギが魔法を使っている所を目撃し、さよからカモが人語を喋る事を聞いてネギの正体に気付いた――が、カモの暗躍によりネギ側に引き込まれてしまった。
 カモから魔法使いに関する情報の提供を受ける代わりに、それらを一切記事にしないと言う約束をしている。

 教室ではさよの隣の席であり、その縁で彼女の同居人となった。
 しかし、報道部の仕事で忙しいためか、学校では二人が一緒に居る姿をあまり見掛けない。そのため、他のクラスメイト達が、さよに自分の部屋に来ないかと誘ったりする事もあるそうだが、さよはそれを笑って断るばかり。どうやら、部屋ではそれなりに仲良くやっているらしい。

綾瀬 夕映(アヤセ ユエ)
 図書館探険部所属の鳴滝4号。児童文学研究会、哲学研究会にも所属している文学少女。
 成績はクラス内ワースト5に入っており、『バカレンジャー』の一人として『バカブラック』、或いは『バカリーダー』と呼ばれている。
 しかし、雑学に関してはかなりの知識量を誇り、頭の回転の速さはかなりのもの。
 要するに、興味がないものには見向きもしない性格なのだ。学校の成績が悪いのもそのためである。

 親友ののどかが修学旅行中の『ラブラブキッス大作戦』で仮契約(パクティオー)カードを手に入れ、更にその使い方を知ってしまう。この時、彼女がその知識を見込んで夕映に相談した事から、ネギの正体に疑問を抱く事となった。
 その後、ネギ達の後を追い、関西呪術協会総本山、鳥居の道における戦いに巻き込まれて、魔法使い達の世界に足を踏み入れることとなる。
 ハルナが魔法使いのことを知るや否やすぐさまネギと仮契約したことに怒りを露わにしたりと、全面的にのどかとネギの仲を応援する立場を取っている。

 基本的に物静かでおとなしい子なのだが、知的好奇心を満たすためならば意外な行動力を発揮。特に図書館島の謎を解明するべく、度々単独で地下迷宮に挑んでいるため、魔法先生達の間では図書館探険部の問題生徒としてブラックリスト入りしている。
 これまでは親友であるのどか達を巻き込まないように単独で地下迷宮に潜っていたが、更なる深部を目指すために横島、高音、愛衣を図書館探険部に巻き込んだ。その後、愛衣とは良い友人関係を築いている。

 その後、三界、デタントに関するレポートを読み、好奇心を刺激された彼女は、新たな世界に足を踏み入れるためにデタントに深い関わりを持つ横島と仮契約を行う。
 彼女の下に現れたアーティファクトは原作通りの『世界図絵(オルビス・センスアリウム・ビクトゥス)』――ではなく、三界最高の情報ユニットと謳われる『土偶羅魔具羅(ドグラマグラ)』であった。

 『魔法使いの従者』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人。
 自分の出来る事で横島をサポートし、彼に付いて行こうとする意思はアスナにも負けていない。

和泉 亜子(イズミ アコ)
 3年A組の保健委員なのだが、血を見るのが苦手なおとなしい関西弁少女。色白で、髪と目の色も少し薄い。
 ネギとエヴァンジェリンの戦いに巻き込まれた事で魔法使いの事情を知り、エヴァとも親しくなった。

 当初は吸血鬼であるエヴァの事を恐れていたが、彼女が横島とじゃれ合っているのを見ている内に、怖がるのも馬鹿らしくなってしまったそうだ。
 意外にエヴァの方も、他の三人が彼女を思い切り子供扱いして猫可愛がるのに対し、亜子は同級生の友人として接しているため、一番マシだと考えていたりする。

大河内 アキラ(オオコウチ アキラ)
 長身を誇る麻帆良女子中、水泳部のエース。口数が少なく、長い黒髪をなびかせる大和撫子。
 何かと面倒見が良く、まき絵、裕奈、亜子を合わせた『運動部カルテット』のまとめ役となっている。
 ネギとエヴァンジェリンの戦いに巻き込まれた事で魔法使いの事情を知り、エヴァとも親しくなった。

 人を手助けする事が好きで、気が付けばネギやエヴァの隣をいつの間にかキープしている事が多々ある。
 何かとエヴァに子供服を着せたがり、エヴァの方も何も言わない彼女にじっと見詰められると断り切ることができなくて、結局、カジュアルな今風の子供服を着てしまう。当人は善意でやっているので、エヴァの方も強く出ることができないのだ。

 エヴァが修学旅行に行けるように協力してもらえるよう『完璧なお願い』をして以来、相当恥ずかしかったのか、同年代の男性として横島を意識するようになってしまった。
 そのため、彼を前にしてしまうと照れて少し距離を取ってしまう、微妙な乙女心である。

 『恥じらう乙女』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人…のはずなのだが、これについてアスナは完膚なきまでに負けている気も。

柿崎 美砂(カキザキ ミサ)
 『まほらチアリーディング』に所属する美砂、円、桜子の三人組の一人。コーラス部にも所属。
 三人組の中ではリーダー格であり、ウェイビーなロングヘアが大人びた雰囲気を醸し出している。

 エヴァのログハウスで行われたアスナの誕生日パーティにも参加し、彼女にデート用の勝負服をプレゼント。
 さよ人形のお披露目に立ち会ったりしたが、GSである横島がいたためか、オカルト関係だとは思っても、『魔法使い』については気付かなかったようだ。

 その後、ヘルマン一味が麻帆良学園都市に襲来した際に人質にされてしまい、魔法使いの事情を知る。

春日 美空(カスガ ミソラ)
 陸上部に所属する短距離選手。身体を動かしていないとムズムズしてしまう行動派。
 クラスの中では一般人を装い、修学旅行でも個性的な面々を避けて千雨と行動を共にしていたが、その正体はれっきとした魔法使い。魔法生徒の一人だったりする。

 しかし、責任感は皆無に等しく、気まぐれ。
 シネマ村での戦いにおいては、ここぞと言う時に横槍を入れて木乃香を助けたりしたが、関西呪術協会総本山の戦いでは、あっさりと逃げ出した。
 もちろん、ただ逃げたわけではなく魔法先生の瀬流彦に助けを求めに行ったのだが、彼を連れて総本山に戻った時には、既に戦いは終わってしまっていた。その後は、瀬流彦をホテルに帰し、自分は何事もなかったかのようにこっそり部屋に戻って、隠れていた一般人を装ったそうだ。

 ヘルマン一味が麻帆良学園都市に襲来した際も、魔法生徒として都市内の捜索に当たっていた――が、史伽からの電話で敵が魔族である事と、ネギと関わりがある事を知ると、巻き込まれないように繁華街等を重点的に探し、女子寮には近付かないようにしていたようだ。

絡繰 茶々丸(カラクリ チャチャマル)
 超鈴音と葉加瀬聡美によって生み出されたガイノイド(女性型アンドロイド)。麻帆良工科大学にある聡美の研究室で産声を上げた。
 その後、エヴァンジェリンにより魂を吹き込まれ、彼女の『魔法使いの従者(ミニステル・マギ)』となった。
 その魂のベースはチャチャゼロと同じなのだが、茶々丸の場合は聡美の用意したAIに人工魂を加えており、結果としてその人格はチャチャゼロのそれとは大きく異なっている。
 従者となって以来、ずっとエヴァの世話役をしてきたためか、母性本能が強い。また、エヴァがかなりの食道楽であるため、料理に関する知識、技術の成長が凄まじく、今や一流シェフにも劣らない腕を持つに至った。

 エヴァの最初の従者であるチャチャゼロは茶々丸の姉と言うことになるが、実はチャチャゼロと茶々丸の間には数百体の人形の姉が存在している。ただし、従者であるのはチャチャゼロと茶々丸のみだ。
 最近になって誕生した人形のさよは茶々丸の妹と言う事になる。茶々丸は初めてできた妹が可愛くて仕方が無いようで、修学旅行に行くさよのために着物を作ったりもしていた。

 横島が覗きをしようとするとどこからともなく現れ、自身が覗かれた事もある。
 彼にフトモモが硬いと指摘され、思うところがあったのか聡美に何か頼みごとをしているようだ。
 次にアスナの前に立ち塞がるのは彼女かも知れない。

釘宮 円(クギミヤ マドカ)
 『まほらチアリーディング』に所属する美砂、円、桜子の三人組の一人。
 三人組の中では暴走しがちな二人を引き止める歯止め役。

 エヴァのログハウスで行われたアスナの誕生日パーティにも参加し、彼女にトレーニングウェアをプレゼント。
 さよ人形のお披露目に立ち会ったりしたが、GSである横島がいたためか、オカルト関係だとは思っても、『魔法使い』については気付かなかったようだ。

 その後、ヘルマン一味が麻帆良学園都市に襲来した際に人質にされてしまい、魔法使いの事情を知る。

古 菲(クー フェイ)
 3年A組留学組の一人。褐色の肌に明るい髪色、そして碧眼とエキゾチックな雰囲気を持つ少女。しかし、小柄であるためか、まだまだ子供っぽさが表立っている。
 成績はクラス内ワースト5に入っている『バカレンジャー』の一人。人呼んで『バカイエロー』。
 中国武術研究会に所属しており、能天気な性格とは裏腹に格闘技に関して非常にストイックな一面を持っている。昨年の学園祭で行われた格闘大会『ウルティマホラ』のチャンピオン。

 学生ボランティアを装った魔法先生、生徒による麻帆良学園都市自警団に参加が認められた一般人第一号。自警団では横島と二人でチームを組んでいる。
 横島と知り合ったことでGSの戦い、妖怪、悪霊との戦いに興味を持ち、横島とアスナが修行をしているところに顔を出すようにもなった。当の横島とも戦ってみたいと思っているのだが、それはいまだに叶わないでいる。

 アスナと違ってGSになりたいと考えているわけではないが、除霊の現場に出るために正式の除霊助手となった。
 自分には無い横島の戦い方に興味を持ち、彼と共に戦う事を楽しいと感じている。
 横島の戦い方と言うのは、すなわち真正面から戦わない一種の裏技なのだが、古菲はそれを受け容れるだけの柔軟さと貪欲さを持っていると言う事であろう。

 『除霊助手』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人。
 古菲自身、何かとアスナを応援する立場なのだが、当のアスナにしてみれば、どちらがより除霊助手として役立てるかと対抗心を抱いてしまうライバルでもあるのだ。

近衛 木乃香(コノエ コノカ)
 艶やかな黒髪に白い肌、着物の似合う大和撫子。アスナのルームメイトで料理一切を引き受けている。
 一見、のほほんとした癒し系の少女だが、その正体は関西呪術協会の長の娘にして、関東魔法協会の長の孫娘。近衛家そのものも凄まじい力を持った、やんごとなき血脈を代々受け継いでおり、霊能力者としてはこれ以上とないサラブレッドだ。
 ただし、当の本人はそんな事など気にも留めずに、やはりのほほんとしている。

 修学旅行の一件で無理矢理霊力を引き出された結果であるため、自分の意思で制御する事はできないのだが、その時に契約した式神たちは今でも彼女の影に宿っている。霊能力者として一足飛びにアスナを追い越していったと言えるだろう。
 今はリミッターである小槌『鬼鎮(オニシズメ)』により一切扱う事ができないのだが、麻帆良に帰ってからは、刹那の指導の下で霊能力を制御するための修行に励んでいる。
 しかし、木乃香としては霊能力者になりたいと言うよりも、式神達と仲良くなりたいと言う思いが強いようだ。

 木乃香は『見習GS』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人である。
 互いに切磋琢磨し、GSを目指していく事になるだろう。

早乙女 ハルナ(サオトメ ハルナ)
 図書館探検部とマンガ研究会を掛け持つ同人作家。〆切り前の修羅場に慣れているせいか、ちょっとやそっとじゃ動じない性格をしている。
 長い黒髪に眼鏡を掛けた愛嬌のある顔をしていて、身長はアスナとさほど変わらないのだが、スラッとしたイメージのある彼女に比べて、肉付きの良いふっくらとした印象を受ける。
 のどか、夕映とともに『図書館組』と呼ばれる親友三人組の一人。

 のどかと共にアーティファクト『イドの絵日記(ディアーリウム・エーユス)』を使ってネギの後を追い、関西呪術協会総本山、鳥居の道における戦いに巻き込まれて、魔法使い達の世界に足を踏み入れることとなった。
 実は追うべきかと迷うのどかに発破をかけて後を追わせたのは、他ならぬハルナだったりする。
 割とノリで行動し、思慮深いとは言い難いが、その辺りは引っ込み思案なのどかや、まず理屈をこねる夕映がうまい具合にフォローし、逆にハルナは二人には無い積極性を補っていると言えるだろう。

 ネギが魔法使いである事を知ると、すぐさま仮契約しようとする。カモがいたため騙まし討ちのような形で成功し、ゴーレムを生み出すアーティファクト『落書帝国(インペリウム・グラフィケース)』を手に入れた。
 極めて汎用性の高い強力なアーティファクトであり、ハルナの物怖じない性格もあって、総本山が襲撃された際にはゴーレムで皆をサポートしてみせた。

桜咲 刹那(サクラザキ セツナ)
 木乃香の幼馴染である京都神鳴流の剣士。烏族と人間のハーフであり、烏族としては珍しく白い翼を持って生まれたため、物心つく前に神鳴流に預けられた。そこで詠春により木乃香の遊び相手として抜擢される事となり二人はすぐに仲良くなる。
 しかし、成長するにつれて刹那は神鳴流剣士としての修行に本腰を入れるようになり、木乃香とは疎遠になっていく。
 その後、麻帆良女子中学に入学した時に二人は再会する事となるが、木乃香に裏の世界を知られないようにするために、刹那の方が彼女を避けていた。二人が再び仲の良い幼馴染に戻るまで、更に二年以上の時を要する事になる。

 修学旅行での一件を経て、木乃香が裏の事情を知った事で刹那も彼女を避ける必要がなくなり、二人は「せっちゃん」「このちゃん」と呼び合う仲に戻った。ただ、木乃香は実に嬉しそうなのだが、刹那の方はもうそんな子供ではないと、少し恥ずかしいようだ。
 刹那が木乃香の護衛である事は変わらないが、同時に霊力に目覚めた木乃香の世話役となり、サポートも兼ねる事となる。パートナーと言い換えてもよいだろう。

 退魔師としての力を持つ剣士である刹那は、『ハマノツルギ』を持つアスナにとって憧れであり、目標だ。
 そんな彼女は、『霊能力者』ポジションにおける、アスナ包囲網の一人である。

佐々木 まき絵(ササキ マキエ)
 新体操部に所属する『麻帆良のアホウドリ』の異名を持つ少女。
 得意なのはリボン。練習熱心で技術も正確、運動神経も抜群なのだが、天真爛漫な性格が足を引っ張り「小学生の演技」から抜け出せていない。

 成績はクラス内ワースト5に入っており、『バカレンジャー』の一人として『バカピンク』と呼ばれている。
 ネギとエヴァンジェリンの戦いに巻き込まれた事で魔法使いの事情を知り、エヴァとも親しくなった。まき絵は彼女を子供扱いして可愛がっているのだが、当のエヴァも、子供っぽいまき絵の事を、手の掛かる妹か娘かのように扱っている。

椎名 桜子(シイナ サクラコ)
 『まほらチアリーディング』に所属する美砂、円、桜子の三人組の一人。ラクロス部にも所属。
 カラオケ好きの所謂騒ぎ役。感情表現が少し子供っぽい面もある。
 とてつもない強運の持ち主で、トトカルチョでは負け知らず。「桜子が賭けたものが実現する」と言われる程だ。

 幽霊少女改め、人形少女となったさよと仲が良く、学校内だけでなく、寮でも一緒に居る事が多い。
 それまでは美砂、円、桜子の三人組で固まって行動する事が多かったのだが、さよと仲良くなった事がきっかけで、朝倉和美をはじめとしてアスナ達と関わる事が増えてきた。
 これは、修学旅行中の総本山襲撃の際に巻き込まれて魔法使いの事情を知った桜子が、事情を知らない美砂、円にうっかり漏らしてしまわないように気を付けて、遠慮している面もある。とは言え、週末にもなればこれまで通り三人でショッピングに出掛けたりしており、特に疎遠になったわけではない。むしろ、桜子の交友範囲がぐんと広がったと言った方が正確であろう。

龍宮 真名(タツミヤ マナ)
 日に灼けた肌をしている、スラッとした長身美人。
 口数も少なく、クールで大人びた印象があるためか、初対面では大学生と間違われる事が多い。
 実際、大学部のバイアスロン部に所属しているのだが、「何故、中学生がここに居るのか」と問われた事は一度も無かったりする。

 麻帆良学園都市内にある龍宮神社でアルバイトをしている。しかし、同神社の娘ではない。霊視したりもできるが霊能力者ではなく、『魔眼』と呼ばれる目の力のようだ。
 「苦手な距離は無い」と豪語する凄腕スナイパー。魔法使いの事情についても知っており、関東魔法協会に雇われた傭兵のような扱いとなっている。横島と同じような立場だが、真名の場合はGS協会と言う組織から派遣されてきた彼とは違い、あくまで個人である。

 極めて甘い物好きであり、特にあんみつには目がない。
 金勘定に聡く、報酬次第ではどんな仕事もこなすプロなのだが、修学旅行での『ラブラブキッス大作戦』では、高級あんみつのチケットであやかの護衛に雇われると言う、意外な一面を見せた。

 ヘルマン一味が麻帆良学園都市を襲撃した際は、学園長の依頼により楓と共に山中の魔物の掃討に当たっていた。

超 鈴音(チャオ リンシェン)
 『麻帆良の最強頭脳』と謳われる勉強、スポーツ何でもござれの天才少女。
 絡繰茶々丸の生みの親の一人であり、魔法使いの事情についても知っている。
 麻帆良女子中の枠を越えて、中国武術研究会、ロボット工学研究会、東洋医学研究会、生物工学研究会、量子力学研究会、お料理研究会と、様々な部、サークルに所属しており、その全てにおいて結果を残している。
 また、商才もあるようで、クラスメイトの四葉五月、葉加瀬聡美と共に、麻帆良学園祭において中華点心の店『超包子(チャオパオズ)』を開き大成功を収めた学祭長者でもある。

 北派少林拳の達人であり、同時に神通棍と霊体ボウガンを使いこなす霊能力者。
 エヴァがネギに戦いを挑んだ際には、学園都市の結界を破るのに協力したりと、魔法使いの技術についても精通している様子。超自身が魔法を使えるかどうかは現在のところ不明だが、彼女ならばどんな隠し球を持っていても不思議ではない。正に『ラスボスになるために生まれてきた女』である。

 そんな謎の多すぎる少女であるが、横島とは意外にも気が合うようだ。まるで十年連れ添ったかのような夫婦漫才を繰り広げている。搦め手を好み、ケレン味溢れる彼女の性格が、横島と似ているのであろう。

長瀬 楓(ナガセ カエデ)
 甲賀衆中忍――ではなく、女華姫直属隠密部隊の末裔。
 中学生離れした長身で、横島が思わず手を合わせて「ありがたや〜」と拝んでしまう程のスタイルの良さを誇る。
 面倒見の良い性格をしており、同級生である鳴滝風香、史伽からは楓姉と慕われている。横島への弟子入りを頼もうとするも、踏ん切りのつかないアスナにアドバイスをしたりもした。
 特にネギに対しては「世話の焼ける子供」と言う印象を抱いているらしく、修学旅行以来、彼の成長を陰から暖かく見守っている。

 ヘルマン一味が麻帆良学園都市を襲撃した際は、学園長の依頼により真名と共に山中の魔物の掃討に当たっていた。

 元々は忍の一族だったのだが、おキヌが死津喪姫を封じるために人柱となった後、姫としての立場を捨てて氷室神社の巫女となった女華姫により、いつか死津喪姫が目覚めた時にこれを滅ぼすために退魔の技を身に付けよと命じられた者達の末裔。それゆえに忍の技と退魔の技の両方を受け継いでいる。
 関東魔法協会に雇われた傭兵のような立場にあるが、これは本職GSでないためおおっぴらに退魔の仕事ができない一族の活動資金を得るための出稼ぎである。
 普段の彼女達はこのように出稼ぎのために氷室神社のある人骨温泉から離れており、いざ死津喪姫が復活した際には地震により交通網が分断されて現地への到着が大幅に遅れてしまい、到着した時には既に美神達により死津喪姫は倒された後であった。

那波 千鶴(ナバ チヅル)
 3年A組のプチ・グレートマザー。
 ルームメイトの夏美から「ちづ姉」と呼ばれている。生年月日で見れば、実は千鶴の方が年下だったりするが、まったく違和感はない。

 二世帯住宅の中流家庭で育ち、両親が共働きであったため、優しくも躾には厳しい祖母に面倒を見てもらっていたおばあちゃん子。
 そのため、幼い頃から年の割にはしっかりとした挨拶の出来る礼儀正しい子供だったが、同時に仕草や趣味嗜好が年寄りじみてしまい、結果として今の彼女が出来上がった――と言うイメージ。

 悪魔パイパーの麻帆男寮襲撃に巻き込まれて子供にされてしまう。この時一緒に巻き込まれた夏美が魔法使いの事情を聞かされる事となり、パイパーが倒された後、元に戻った彼女も魔法使いの存在を知る事になった。
 横島に対し感謝の念を抱いているが、その彼を子供扱いしている面がある。彼の中にあるマザコンの気を本能的に察知しているのかも知れない。

 『女性』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人。
 クラス屈指のスタイルを誇り、家庭的な性格で料理も得意。なおかつ横島に対しても強い千鶴は、アスナにとってこれ以上となく手強いライバルだと言えるだろう。

鳴滝 風香(ナルタキ フウカ)
 どう見ても中学生には見えない双子姉妹の姉。見た目は子供でも、その心は立派なレディ――のつもり。
 かつて、韋駄天八兵衛に憑依された横島が、韋駄天九兵衛と新幹線で死闘を繰り広げた際に、その新幹線に乗り合わせて彼等の戦いを目撃していた。
 横島を「ヨコシマン」と呼んでいたのもその時の体験ゆえである。ただし、今は横島本人から止められているため、「ヨコシマ」と呼んでいる。

 修学旅行の一日目に、清水寺でお酒を飲んでしまい、姉妹揃って一つの布団に潜り込んでいたところ、千草の式神『熊鬼(ユウキ)』によって木乃香の代わりに攫われてしまう。
 この時助けてくれた横島に対し憧れを抱いており、その後も彼等と行動を共にしている内に総本山襲撃における石化魔法を免れ、千草達との戦いを目撃した事により、翌日魔法使いの事情について知らされる事となった。

 性格的にヒーロー物が好きなせいか妹、史伽よりも横島に夢中になっている面がある。
 3年A組の他の面々に比べて見た目が子供のため遠慮なく甘える事ができるのだが、同時に子供としてしか見られないので、その点が少し不満らしい。

 『横島に憧れる』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人。
 風香にとって横島はまさに本物のヒーローだ。彼に憧れる気持ちはアスナにも負けていない。

鳴滝 史伽(ナルタキ フミカ)
 どう見ても中学生には見えない双子姉妹の妹。見た目は子供でも、その心は立派なレディ――のつもり。
 かつて、韋駄天八兵衛に憑依された横島が、韋駄天九兵衛と新幹線で死闘を繰り広げた際に、その新幹線に乗り合わせて彼等の戦いを目撃していた。
 横島を「ヨコシマン」と呼んでいたのもその時の体験ゆえである。ただし、今は横島本人から止められているため、「ヨコシマ」と呼んでいる。

 修学旅行の一日目に、清水寺でお酒を飲んでしまい、姉妹揃って一つの布団に潜り込んでいたところ、千草の式神『熊鬼(ユウキ)』によって木乃香の代わりに攫われてしまう。
 この時助けてくれた横島に対し憧れを抱いており、その後も彼等と行動を共にしている内に総本山襲撃における石化魔法を免れ、千草達との戦いを目撃した事により、翌日魔法使いの事情について知らされる事となった。

 横島に対しては風香と比べて純粋に「面白いお兄ちゃん」として慕っている。
 3年A組の他の面々に比べて見た目が子供のため遠慮なく甘える事ができるので得だと思っている。

 『甘えん坊』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人。
 史伽が横島にべったりと甘えていたとしても、周りは何も言わずに見守るだろう。これは、アスナが望んでも手に入れられないポジションである。

葉加瀬 聡美(ハカセ サトミ)
 麻帆良工科大学の研究室にも籍を持つ天才少女。超一味の一人で、茶々丸の生みの親の一人であり、麻帆良学園都市を守る電力を利用した結界の設置や、エヴァ宅の防御システムの構築にも関わっている。
 ネギが麻帆良に訪れる以前から魔法使いの事情については聞き及んでいた。

 超と共同で魔法の力に頼らず、科学の力だけでT−ANK−α1通称『田中ハジメ』を開発するも、悪魔パイパーとの戦いにおいて『田中ハジメ』は大破してしまう。
 T−ANK−αシリーズに関しては考えるところがあるらしく、『田中ハジメ』が遺した実戦データの解析は自分一人で進めているらしい。

長谷川 千雨(ハセガワ チサメ)
 クラスの中では目立たない生徒の一人だが、その正体はネットアイドル『ちう』。
 しかし、それについて知っているのはネギとカモのみであり、横島もその事については知らない。

 ヘルマン一味の襲撃に巻き込まれ、エヴァの別荘に避難して一週間過ごす事となり、なし崩し的に魔法使いの世界に巻き込まれてしまった。その間に目の前の謎を謎のままで捨て置く事が出来ない性格から、どんどんドツボに嵌っていく事になる。
 覚悟の上でこの世界に足を踏み入れたわけではないと言うのも彼女の混乱に拍車を掛けたと言えるだろう。

 ヘルマンの一件でネギがクラスメイト全員に魔法使いである事が知られてしまったため、千雨もあれよあれよと言う間に「こちら側」に入り込んだ事になるのだが、本人はまだ認められないらしい。

エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル(Evangeline.A.K.McDowell)
 『闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)』、『不死の魔法使い(マガ・ノスフェラトゥ)』、『人形使い(ドールマスター)』、『悪しき音信(あしきおとずれ)』、『禍音の使徒(かいんのしと)』と様々な異名を持つ元・600万$の賞金首。
 強大な魔力を持つ闇の魔法使いだが、現在は『登校地獄(インフェルヌス・スコラスティクス)』の呪いによりその魔力を封じられて麻帆良学園都市に幽閉されている状態である。

 その呪いを掛けた当の本人が失踪してしまったため永遠に学生を続けなければならない。
 学園長がその生活費一切を負担し、エヴァはそれと引き換えに臨時の警備員として、いざと言う時は学園長に依頼されて動く事になっている。
 しかし、学園長もエヴァに呪いを掛ける原因の一端となった負い目があり、他の魔法先生達との兼ね合いもあるため、あまり仕事を頼む事はないようだ。

 おかげで暇を持て余しており、旅行も出来ないストレスから食道楽趣味に邁進中。通販で地方の名産を取り寄せては茶々丸に料理させて堪能している。
 最近は横島の血がお気に入りのようで、いかに演出に凝って吸血するかに拘っているらしい。

 ネギと一戦交えた際に自分に掛けられた呪いが、自分を麻帆良学園都市に閉じ込める呪いと、学校行事のスケジュールに従わなければ苦しむ呪い、そして麻帆良学園都市を囲む結界内で魔力を封じられる呪いの三つで構成されている事を知る。
 そして、横島の文珠の力を借りれば麻帆良の結界を潜り抜けられる事を知り、呪いの解除に手応えを感じるようになった。今は呪いの詳細な構造を知るために文献調査に勤しんでいる。
 これには、ネギとの戦いを通じて親しくなったまき絵、裕奈、亜子、アキラの四人と一緒に卒業しなければ、呪いの効果により彼女達に忘れられてしまう事が関わっている事は間違いない――が、本人にそれを指摘すると怒り出すので注意が必要だ。

 最近はネギの師となり、日々命懸けの過酷な訓練を課している。
 同じく師匠の立場である横島と弟子の扱いについて話す事もあるが、彼女に言わせれば彼の弟子の扱い方は甘過ぎるとの事。「弟子は生かさず殺さず、むしろ死なせる方面で」がモットーらしい。
 横島もアスナに対してそうするようにと日々囁き続けているとか。

 アスナ包囲網どころか、あらゆる意味でアスナの前に立ち塞がる巨大な壁である。

チャチャゼロ
 エヴァの最初の従者である自動人形(オートマトン)、ナイフ収集を趣味とする殺戮人形。
 赤子サイズの人形だが、エヴァが麻帆良に来るまで共に戦い続けてきた歴戦の勇士でもある。

 エヴァが魔力を封じられている今、麻帆良学園都市内では会話だけは可能だが、自力で動く事ができない。
 また、エヴァが封印状態でもある程度魔法が使える別荘内や、彼女の魔力が解放される結界の外ならば自力で動く事が出来る。

 最近はまき絵達と付き合うようになって丸くなりつつあるエヴァに苦笑している。
 しかし、それ以上に今は、横島の影響でどんどんおかしな方向に進んでいる茶々丸に戦々恐々しているそうだ。

宮崎 のどか(ミヤザキ ノドカ)
 ネギの『魔法使いの従者』である図書館探険部の一人。
 修学旅行で行われた『ラブラブキッス大作戦』でネギと仮契約をした。

 当初はカモ達も仮契約カードだけを渡して魔法使いの事情については明かさないつもりだったが、関西術協会総本山における戦いに巻き込まれてしまい、彼女も魔法使いの事情を知る事となる。

 麻帆良に帰還後もネギのパートナーとして彼をサポートしている。
 ネギが図書館島を探索する際は、共に潜って道案内をしたりもした。
 今はもっとネギの力になれるようにと、魔法を学ぼうとしている。

村上 夏美(ムラカミ ナツミ)
 3−Aの中では希少な極普通の少女。
 あやか、千鶴のルームメイト。生年月日の上では年下である千鶴を「ちづ姉」と呼び慕っている。
 ソバカスとクセっ毛の赤毛がチャームポイントだが、当人はそこがコンプレックスでもあるらしい。

 ヘルマン一味に追われて麻帆良学園都市に逃げ込んだ小太郎を発見した事で悪魔パイパーの襲撃に巻き込まれ、千鶴が彼女を庇って子供にされてしまう。
 その後、エヴァの別荘に避難して一週間過ごす事となり、否応なしに魔法使いの世界を知る事となった。

 小太郎に人質にされた際に怪我をして横島のベッドに寝かされ、千鶴が寝込んだ横島を着替えさせるのを手伝いその背に頬を寄せた事を経て、急速に匂いフェチに目覚めつつある、かも知れない。

 『フェチ』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人――だとすれば、本人は不本意であろう。
 アスナもその方面では争いたくないだろうが、彼女も割と煩悩一直線な所があるので微妙なところだ。

雪広 あやか(ユキヒロ アヤカ)
 雪広財閥の次女。多少仕切り屋の面もあるが、責任感があり、情にも厚く、個性派揃いの3年A組を取りまとめるクラス委員長を見事に務めている。
 『雪広あやか流』と自称する我流の合気柔術の使い手であり、馬術も修めている。華道への造詣も深く、まさしく文武両道。更には容姿端麗、頭脳明晰、才色兼備を地で行く完璧超人なお嬢様だ。

 ネギへの愛に盲進しているが、それ以外の事に関しては良識人で、気前も良く、基本的に世話好き。
 他人を押し退けてまで自分の望みを押し通したりは出来ない非常に「良い人」である。
 そのため、何かと損する立場になってしまう事が多いらしい。

 アスナとは腐れ縁の幼馴染。子供の頃から事ある毎に張り合ってケンカしてきた仲だが、同時に子供っぽい面を持つアスナにとって、大人びたあやかは姉のような存在であると言える。
 GSを志すアスナを全面的に応援しているが、素直になれない性格のためか「木乃香を手伝うついで」等、何かと婉曲的な手段になってしまうようだ。
 ちなみに、素直になれない事に関してはあやかに対するアスナの態度も負けていない。結局のところは似た者同士の二人なのであろう。

四葉 五月(ヨツバ サツキ)
 麻帆良の料理の鉄人。超一味の一人であり、『超包子』の料理担当を務める。
 超と付き合いがあるため、魔法使いの事情についてはネギが麻帆良に赴任する以前から知っていた。
 しかし、彼女自身はあくまで『超包子』のシェフであり、魔法使いの世界に進んで関わるつもりは毛頭ないようだ。

 実は、現在のところ横島との直接の面識は無い。

ザジ・レイニーデイ(Zazie.Rainyday)
 何かと謎の多い少女。
 修学旅行では超と一緒の班になったが、これは一人どこの班にも入っていなかった彼女を誘ったからであって、『超一味』になったわけではないらしい。
 しかし、超が千草一味との戦いに参戦する時は、こっそり影に隠れて彼女の弦の無いギターの効果音を担当したりしている。
 魔法使いについて知っていたのかは謎だが、京都ではネギ達の戦いを目の当たりにしても驚きもしなかった。
 少なくとも、修学旅行が終わった時点で魔法使いについて知っていた事は確かである。

 修学旅行後も、五月の料理が気に入ったのか『超包子』が新商品開発の打ち合わせをする時は何かと顔を出し、試食を担当している。しかし、『超包子』の一員になったと言うわけではないようだ。

麻帆良学園 教師


近衛 近右衛門(コノエ コノエモン)
 麻帆良学園の学園長にして、関東魔法協会の長。
 魔法使いの存在を公にするべく情報公開の準備を進めているため、現在魔法使いが関わるトラブルに対して過敏になっている。

 若い頃から情報公開については考えており、かつては一般人から素質のありそうな者を募って七人の一般人を魔法使いに育て上げる事で、魔法使いと人間の間にある垣根を無くそうとした事がある。
 しかし、弟子の一人が禁呪に手を出し、他の六人を殺害して逃亡した事により計画が頓挫。
 更に数十年後、その逃亡した一人が関西呪術協会総本山を襲撃したため東西の関係が悪化し、魔法使いと陰陽師の大戦が勃発。
 終戦を迎えて、再び学園長が情報公開のために動き出すまで、半世紀近い歳月を要する事となってしまった。

高畑・T・タカミチ(タカハタ タカミチ)
 麻帆良女子中の教師で、アスナ達の元・担任。かつては忙しい学園長に代わり、孤児であるアスナの保護者代行を務めていた。
 ネギの父とは古い友人で、幼い頃のネギについても知っている。

 学園長の命により情報公開の準備を進めるために世界各国を飛び回っているため、ネギ達が修学旅行に行っていた時や、ヘルマン一味が襲撃してきた時は、麻帆良にはいなかった。

葛葉 刀子(クズノハ トウコ)
 京都出身の神鳴流剣士。魔法使いではないが、麻帆良を守る魔法先生の一人として扱われている。
 麻帆良女子中の教師を務めており、修学旅行は生徒達の希望でハワイに行っていた。

 弐集院がリーダーを務めるボランティア警備団に所属している。
 女子中の教師だが、他の学校の男子生徒からの人気は高く、彼女を目当てに警備団に志願した者も多い。無論、ただの一般人は学園長の審査により全員落とされてしまったのだが。

 麻帆良に来た当初、横島は魔法先生の会合がある度に刀子に対し飛び掛ったりしていたが、シスター・シャークティを知ってからは、刀子だけでなく彼女に対してもあの手この手でアプローチするようになって行く。
 普段から自分の年齢を気に掛けている刀子にとってこれは、横島云々を抜きにして女のプライドを刺激されてしまい、最近は少々機嫌が悪いようだ。

弐集院 光(ニジュウイン ミツル)
 麻帆良学園都市を守る温和な魔法先生の一人。
 戦闘向きの魔法使いではないが、魔法先生達のまとめ役を務めている。また、魔法生徒達の隠れ蓑となっているボランティア警備団のリーダーでもある。

 ネギよりも幼い娘がおり、その娘もまた幼いながらも魔法使いの道を進んでいる。そのため、娘を魔法使いにしていないガンドルフィーニとは、何かと教育方針でぶつかり合う事が多いようだ。
 また、子供であるネギの事を何かと気に掛けている。

 親バカ1号。

ガンドルフィーニ
 麻帆良学園都市を守る生真面目な魔法先生の一人。
 実働部隊のリーダーを務め、高音と愛衣を担当している。

 主に銃とナイフを使って戦う、『魔法剣士』タイプの魔法使い。
 娘がいるが、魔法使いになるかどうかは本人の意思に委ねるつもりなので、まだ魔法使いの修行はさせていない。そのため、娘を当然のように魔法使いにして育てている弐集院とは、何かと教育方針でぶつかり合う事が多いようだ。
 やはり彼も、子供であるネギの事を何かと気に掛けている。

 親バカ2号。

神多羅木(カタラギ)
 麻帆良学園都市を守る何かと無口な魔法先生の一人。
 風系統の魔法を得意とする、極めて実戦的な魔法使いである。

 常日頃からサングラスを掛け、寡黙で強面だが、生徒達からは『グラヒゲ』と呼ばれ、意外と人気は高いらしい。

 魔法使いの師匠を探すネギの前に『覆面教師X』として立ちはだかった。
 その後、図書館島に潜り込んだネギを陰ながらサポートしたりと、意外にもネギとの接点は多い。

瀬流彦(セルヒコ)
 麻帆良学園都市を守る魔法先生の一人。
 魔法先生達の中では年若く、一番の下っ端扱いである。

 麻帆良女子中の教師であり、修学旅行の時は彼も京都へ行き、3年A組以外の生徒の護衛についていた。

シャークティ
 麻帆良学園都市を守る魔法先生の一人。今は美空とココネを指導する立場にある。
 かつて魔法使いにとって『教会』はタブーであったにも関わらず、魔法使いであると同時にシスターでもある彼女は新世代の魔法使いだ。

 男子生徒達からの人気も高く、彼女を目当てに教会を訪れる者もいるらしい。
 修学旅行の際にはおみやげを買ってきたりと、横島もあの手この手でお近付きになろうとしているが、今のところ彼とは、魔法先生の会合で顔を合わせるぐらいしか接点が無く、シャークティにとっては、彼女に憧れる他の男子生徒と同程度の印象しかない。
 そのため、それが原因で最近刀子からライバル視されている事については気付いていないようだ。

明石(アカシ)
 麻帆良学園都市を守る魔法先生の一人で、大学教授を務めている。
 また、魔法使いが集団で行動する時は、指揮官を任せられる人材でもある。

 ネギの生徒である明石裕奈の父親であり、父子家庭で娘が寮生活をしているため、自らは教職員宿舎で一人暮らしをしている。なお、裕奈は父親が魔法使いである事は知らない。
 最近裕奈がエヴァや横島と仲良くなった事について色々と心配しているようだ。

 親バカV3。

新田(ニッタ)
 『鬼の新田』の異名を持つ、麻帆良女子中の学年主任。
 魔法使いではない一般人であるが、ネギの存在を平然と受け容れているあたり普通ではない。

麻帆良学園 生徒


高音・D・グッドマン(タカネ・D・グッドマン)
 聖ウルスラ女学院に在籍する魔法生徒。影から使い魔を生み出す『操影術』の使い手である。
 『黒衣の夜想曲(ノクトゥルナ・ニグレーディニス)』と言う切り札となる強力な魔法を持っており、その戦闘能力は極めて高い。魔法生徒の中ではトップクラスの実力者で、魔法先生と共に実戦に参加する事を認められている数少ない一人だ。

 もっとも、生来のドジのためか、何かと失敗する事も多い。
 夕映に対し自爆のような形で魔法使いである事を知られてしまい、半ば強制的に図書館探険部に引き摺り込まれてしまった。
 また、悪魔パイパー襲撃の際には横島を庇って子供にされてしまい、呪いが解けると大勢の一般人に魔法使いである事がバレてしまっていた。
 魔法界生まれの生粋の魔法使いであり人間に対する隔意を持っていたが、その後数日間、多くの一般人――3年A組の面々と一緒に過ごした事で、少しは隔意が薄れたようだ。開き直ったとも言う。

 同じく魔法生徒である愛衣と仮契約を結ぶマスターでもあり、妹のように彼女の面倒をみている。
 ガンドルフィーニが横島のお目付け役であるため、横島と一緒に仕事をする事も多い。
 最近は、横島の事も仕事仲間と認めている様子だ。その性格から素直に態度に表す事はないが、少なくとも子供にされた時の彼女は、横島の事を慕っていた。

 横島との相性が良いのか悪いのか、何かと彼の前で全裸になってしまう事が多い『脱げ女』。
 本人は怒るだろうが、『露出』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人である。
 『仕事の相方』として争ったならば、今のところアスナに勝ち目はないだろうが、こちら方面なら今のアスナでも十分対抗できるはずだ。

佐倉 愛衣(サクラ メイ)
 麻帆良女子中に在籍する魔法生徒。火系統の魔法を得意としている。
 コメリカのジョンソン魔法学校をオールAの成績で卒業した秀才で、無詠唱魔法も使いこなす。
 魔法界生まれの生粋の魔法使いだが、両親の仕事の影響で幼い頃から魔法界と人間界を行き来していたため、高音ほど人間に対する隔意は持っていない。

 箒型のアーティファクト『favor purgandi(ファウォル・プールガンディ)』を所持しており、数打ちのアーティファクトであるため、愛衣はそれを『オソウジダイスキ』と呼んでいる。
 仮契約相手は高音。マスターと従者と言うより、アーティファクトを手に入れるために仮契約をしたと言った方が正しいであろう。それ以来、愛衣は高音を姉のように慕っている。
 また、最近は横島と一緒に仕事をする事も多くなり、彼の事を「お兄様」と呼び慕っているようだ。

 高音と一緒に図書館探険部に引き擦り込まれてしまったが、元々本を読むのが好きな性質らしく、その後も図書館探険部の活動に参加している。夕映とも今では良い友人だ。

 ハルナが知ればスカウトしそうな程の妄想力を持っており、彼女の中での横島と高音は「憎まれ口を叩き合いながらも心の中では惹かれ合っている嬉し恥ずかしな関係」らしい。
 愛衣は高音に憧れ、彼女のようになりたいと願っているため、これは「いつかそんな恋愛がしたい」と言う愛衣自身の願望の裏返しでもある。

 なにかと横島にセクハラされているが、妄想と言う名のフィルタを通して彼を見ているためか、あまり抵抗しようとはしない。そのため、横島も愛衣に対しては何かと調子に乗る傾向にある。
 そんな彼女は『横島にセクハラされる』ポジションにおけるアスナ包囲網の一人。どちらも誰かがツっこみ入れなければ止まらないのは共通していると言えるだろう。
 

豪徳寺 薫(ゴウトクジ カオル)
 麻帆良男子高校の二年生にして、ネギの一人目の『魔法使いの従者』。
 横島と中村のクラスメイトであり、中村とはルームメイトでもある。
 今時リーゼントないかつい外見をしているが、気は優しくて力持ちを地で行く基本的には温厚な男。
 ネギの事は、従者とマスターと言うよりも、共に戦う仲間として捉えている。

 アーティファクトは下駄型の『金鷹(カナタカ)』、着用者の気の力を高め、台の裏側からバーニアのように気を噴射する事で推進力を得る事が出来る。
 また、その噴射は攻撃に転用する事も出来、豪徳寺はそれを超必殺『漢気光線』と呼んでいる。

 東京の豪徳寺出身で、実家には祖母と妹が暮らしている。
 妹の名前はみやこ、豪徳寺にあまり似ていない可愛らしい少女だ。

山下 慶一(ヤマシタ ケイイチ)
 麻帆良男子高校の三年生。
 犬豪院ポチのルームメイトであり、ヘルマン一味との戦いが終了した後、小太郎を引き取る事となった。
 フェミニストで、女生徒達から人気があるのだが、壊滅的なファッションセンスを誇るため、私服になると残念な人でもある。

 謎の格闘技『3D柔術』の使い手。
 一撃でやられる『一撃兄ちゃん』である。

中村 達也(ナカムラ タツヤ)
 麻帆良男子高校の二年生。
 横島と豪徳寺のクラスメイトであり、豪徳寺のルームメイト。
 明るい人柄で、豪徳寺の事を「薫ちん」、横島の事を「忠夫ちん」と呼ぶ。
 自重しているのか、流石に「横ちん」とは呼ばない。

 気を放つ遠当ての一種である『裂空掌』の使い手。

犬豪院 ポチ(イヌタケノイン ポチ)
 麻帆良男子高校の三年生。
 山下のルームメイトであり、ヘルマン一味との戦いが終了した後、小太郎を引き取る事となった。

 麻帆良では「大豪院ポチ」と名乗っているが、その正体は京都は愛宕山に隠れ里を持つ犬豪院一族の人狼族である。屋号は「辰口屋」。辰の方角、すなわち京都から攻めて来る神鳴流から里を守る、守り手一家の生まれだ。
 しかし時代も代わり、神鳴流も無闇に何の罪もない妖怪等を退治する事ができなくなったため、辰口屋の役割そのものが消えつつあり、ポチは新たな戦いを求めて、正体を隠して麻帆良学園都市の高校に進学していた。
 なお、彼が人狼族である事は魔法先生達には知られていなかった。学園長は気付いていたが、魔法使いの存在をポチに知られないために、あえて黙っていたようだ。

 人狼族の戦士だけあって、魔族にも対抗し得る力を持っている。
 狼頭の獣人に変身した状態では、豪徳寺達よりも頭一つ飛び抜けて強い。

犬上 小太郎(イヌガミ コタロウ)
 修学旅行の時は千草に雇われてネギ達と戦った人狼族の少年。
 人狼族の中でも、隠れ里に引っ込まず人間の中で暮らす事を選んだ『狗』と呼ばれる亜種である。

 京都から逃亡した後、ヘルマン一味と遭遇し、行く当てがなかったため、ハルナの「フラグ」発言を頼りに麻帆良学園都市に逃げ込んだ――が、ヘルマン一味の目的地も元々麻帆良だった。
 その後、横島達に捕らわれて、悪魔パイパーに襲撃されてしまう。
 犬豪院ポチと共にパイパー本体を探索。聡美に連れられて援軍として登場した『田中ハジメ』と協力し、パイパーを倒すと言う大金星を上げる。

 ヘルマン一味との戦いが終わった後は犬豪院ポチ預かりとなり、麻帆良学園に編入する事となる。

ココネ
 美空と共にシスター・シャークティに指導を受ける魔法生徒の一人。
 今のところ、横島達との面識はない。

京都


近衛 詠春(コノエ エイシュン)
 関西呪術協会の長。  木乃香の父であり、近右衛門の義理の息子。入り婿である。

 修学旅行の時は、その長と言う立場のために、木乃香の身が危険に晒されてしまった。
 木乃香のためならば長の座などどうでも良いが、木乃香のためにも東西の和睦を果たすまで長の座から降りるわけにはいかないと、見事なまでに板挟みとなっている。

 今は、霊力に目覚めてしまった木乃香を刹那に託し、自らは東西の和睦のために陰陽師の旧家達を相手にする日々を送っている。

天ヶ崎 千草(アマガサキ チグサ)
 関西呪術協会に所属する陰陽師。
 熊鬼(ユウキ)、猿鬼(エンキ)と言う式神を使役する式神使いだ。熊鬼は純粋に強く、猿鬼は三鬼存在し、体内に人間を匿って守る力を持っている。また、簡易式神に関しては小猿型で使用する事を好む。

 東の魔法使いに殺された両親の仇を討つために、親善大使として派遣されたネギから親書を奪って和睦を潰し、『両面宿儺(リョウメンスクナ)』の封印を解き、その力を以って東に戦を仕掛けようと計画していた。
 しかし、そのために仲間に引き入れた『フェイト・アーウェルンクス』と名乗る少年魔法使いこそが両親の仇、関西呪術協会の総本山を襲撃した魔法使いであり、彼のかつての目的であった『両面宿儺』の封印を解くために千草は利用されてしまう。

 結局、横島と同期合体したアスナの力により『両面宿儺』は送還されて千草の計画は頓挫。
 かつて総本山を襲撃したのが、関東魔法協会の裏切り者である事が判明したおかげで、東西の和睦に弾みがついてしまったのは、何とも皮肉である。

 旧家の取り計らいで重い処罰を受ける事はなかった。
 しかし、今は罰の代わりとして詠春の命で東奔西走、コキ使われる日々を送っている。

『狂人』月詠(『キョウジン』ツクヨミ)
 京都神鳴流に属する剣士。
 大振りの野太刀を好む神鳴流にしては珍しく小太刀の二刀流を戦闘スタイルとしている。

 自らの身を危険に晒し、『死』を身近に感じる事に悦びを覚えるある種のマゾヒスト。
 同時に、強い者を斬り伏せたいと言う願望を持つ一種のサディストでもある。
 そんな彼女が、東西全てを敵に回しかねない千草の計画に賛同した理由は、ひとえに最強と謳われる『神鳴流』、同門の剣士と戦ってみたかったためだ。

 千草が捕らわれた後も、罪には問われていない。何故なら、彼女を処分するために神鳴流剣士を送ってしまえば、それこそ彼女の望みを叶える事になってしまうからだ。
 今は、詠春の命で東奔西走する千草に付き合って、片っ端から敵を薙ぎ倒す日々を送っている。
 ある意味、一番の幸せ者は彼女なのかも知れない。


スティーブ・ファー・アークィン(Steve Far Arcuin)
 『フェイト・アーウェルンクス』と名乗る少年魔法使い。
 しかし、その正体はかつての近衛近右衛門が一般人から魔法使いを育てようとした際の七人の弟子の一人、スティーブ・ファー・アークィンである。
 しかし、禁呪に手を出し、他の六人の弟子を殺害して逃亡、行方をくらます。
 そして数十年後、『両面宿儺』を求めて関西呪術協会の総本山を襲撃し、当時の長を含む大勢の人間を殺害し、東西の大戦の切欠を作った。

 それから更に二十年後、再び『両面宿儺』を求めて動き出し、その封印を解こうとする千草に接近。彼女を利用して『両面宿儺』を手に入れようとするが、横島と同期合体したアスナ、そしてエヴァにより失敗。『両面宿儺』のデータを入手するだけに止まった。
 その後、ヘルマン一味と悪魔パイパーを率いて麻帆良を襲撃するが、へルマンとパイパーが倒された直後に再び行方を眩ましてしまった。その目的が何であったかは不明である。


 彼が手を出した禁呪と言うのは、魂を分割して命のスペアを作り出すための物。
 『フェイト・アーウェルンクス(Fate Averruncus)』と言う名も、『スティーブ・ファー・アークィン(Steve Far Arcuin)』のアナグラムである…とGSアスナでは設定している。
 実は、アナグラムする際に元の名前から「I」が抜けて「U」が一文字加わっている。そこに何の意味があるかについては現在のところ謎。

 ここだけの話、彼の本名を決める際、他にも『スターヴ・レク・ファウヌス (Starve Rec Faunus)』、『フランシス・エイヴァリー・トロイ(Frances ave.(Avery) treu』と言う候補があったが、一番地味っぽいスティーブを採用したと言う経緯があったりする。彼にグラハムと言う名の相棒が存在するかどうかは謎。

 また言うまでもないが、学園長がまだ若き熱血教師だった頃の生徒である事から、彼の実年齢は「少年」魔法使いには程遠い年齢である事をここに記しておく。

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