topmaintext『黒い手』シリーズ魔法先生ネギま!・クロスオーバー>見習GSアスナ極楽大作戦! FILE.148
前へ もくじへ 次へ


 横島一行はまずアスナを迎えに行くため美術部の展示に赴いた。
 麻帆良学園都市各校の美術部が集まって共同で開催している美術展なので、想像以上に規模が大きい。
 ただ、揃いも揃って芸術を嗜むようなタイプでは無いため、彼等の興味がアスナの作品だけに集中してしまうのは致し方ない事である。
「アスナはんの作品は、どこでっしゃろな〜♪」
「あ、いたいた! あそこにいるよ、アスナ!」
「あんた達、ここでは静かにしなさい!」
「アスナも声大きいよ〜」
 合流した後は皆静かにし、アスナの案内で彼女の作品の前まで移動する。
 するとそこには、横島の横顔を描いた絵が展示されていた。
 それは真剣で凛々しい表情をしており、以前からの知り合いならば「誰だこいつは」とツっこんでいただろう。
「ちょっと美化し過ぎじゃないか?」
 当の横島も、これには口を出さずにいられなかった。
「え〜、我ながら上出来だと思うんだけどな〜」
「旦那さま、時々こういう顔してますえ?」
「ああ、してますね〜」
「普段からこういう顔してたら、『魔法使いの従者(ミニステル・マギ)』としても言う事無しなんだけどなぁ」
 ところが、少女達はこれを美化していると受け取らなかった。
 それでも横島は信じられないらしく、しきりに首を傾げている。
「俺、こんな顔してるか?」
「してますよ! ほら、アレの時とか!」
「ああ、やっぱりアレの時の表情なんやね」
「アレ?」

「「「「霊力供給の修行の時!」」」」

 四人でハモったその言葉に、横島がのけぞったのはいうまでもない。
 アスナ達によると、供給量が増えてくるにつれて真剣な表情になっていくらしい。
 そういう時の横島は大抵煩悩を炸裂させているのだが、その一方でアスナ達を傷付けまいとしているため、結果として表向きは凛々しい顔になるようだ。

見習GSアスナ極楽大作戦! FILE.148


「フッフッフッ……千雨に追加注文入れた甲斐があったわ」
 展覧会のスタッフ控え室を借りて警備用の衣装に着替えたアスナは、女子トイレの鏡で身だしなみをチェックしながらそう呟いた。
 というのも当初の予定では、アーティファクト『ハマノツルギ』に合わせて西洋の騎士風の衣装を用意する予定だったのだが、彼女は横島が忍者装束にすると決めた途端に侍の衣装にして欲しいと千雨に頼み込んでいたのだ。
 既にデザインが決まり製作を始めていた千雨は渋ったが、むせ返るようなラブ臭に反応したパルが不敵な笑みを浮かべながら承諾。結局、着物をベースにできる方が楽という事で千雨も納得した結果が今の衣装だ。
 といっても時代劇にそのまま出てくるような侍装束ではなく、陣羽織を羽織りつつも色々と露出度を上げるなどゲームなどに出てきそうなものにアレンジされている。
 特にパル渾身のデザインで胸元は大胆に開いており、露出した肌が桃の形になるようになっていた。
 パル曰く、桃太郎をモチーフにしているとの事。忠犬わんこキャラと化した月詠、猿神衣装の古菲、白い翼の刹那と合わせて桃太郎一行だと高らかに宣言して総ツっこみを受けていた。
 千雨の方は真面目に考えており、既にできていたガントレットとグリーブを、色を塗り替えたり、パーツを追加したりする事で和風にアレンジ。それを衣装に加えて防御力を高めつつ侍装束としてのバランスを保った。
 そして露出の方も暴走しかけるパルを抑え、普段は目立たなく、激しく動くとチラリズムを発揮するようなデザインにして「下品じゃない程度にセクシー」のラインを守り抜いた。
 千雨曰く、戦闘時だけ見せるような感じなら煩悩の燃料になる。普通に考えれば戦闘中の余所見は危険だと思うが、そこは横島ならば大丈夫だろうとの事だ。
 その物言いに妙な信頼感とラブ臭を感じ、パルがニヤけていたのは言うまでもない。

「お待たせしました〜!」
 警備用の侍装束に着替えたアスナは、横島達と合流。
 美術部の面々には、警備とは別口の仕事を学園長から頼まれていると説明している。
 アスナが学園長の孫である木乃香のルームメイトである事は知られているので、そのつながりで何か頼まれたのだろうと他の部員達も納得してくれた。
 これはいざという時に警備の仕事のせいで動けなくなるのを防ぐためであり、現に警備員の証である腕章は着けていない。
 表向きは、コスプレした祭りの見物客。麻帆良祭では珍しくもない姿。
「よし、今は刹那ちゃんと千草が護衛してるから……今の内に見て回るぞ!」
「横島さんとデートっ!?」
 いや、麻帆良祭の見物客そのものであった。
「アスナ〜、私達もいるからね〜?」
「わ、分かってるって、コレット」
「タダオ、次は皆のマジカルミステリーツアーよ!」
「旦那さま、はやくはやくぅ〜」 
 コレットのツっこみに焦るアスナだったが、そもそもアーニャを肩車して、月詠に手を引っ張られる横島の姿は、到底デートするような雰囲気ではなかった。
「あ、二人ともズルい!」
 それを見て慌てて駆け寄るアスナ。こちらも似たものであり、コレットはその後ろ姿に呆れた笑みを浮かべる。
 しかし、すぐにその楽しそうな輪に混じりたくなってしまう彼女も、実は似たものかも知れない。
 しばらくうずうずしていたコレットも、結局は元気にしっぽを振りつつアスナの後に続くのだった。


 彼等が続けて赴いたのは、3−A組の出し物であるマジカルミステリーツアーだ。
 教室では手狭なため、広場を借りて仮設の建物を建てている。学園祭の規模ではないのは今更の話である。
 ちなみにあやかと超が共同で資金を出し、麻帆良大学工学部に協力してもらって建てたそうだ。
「おお、盛況だな〜」
 そんなマジカルミステリーツアーの出来はかなりのもののようで、一行が到着すると既に長蛇の列ができていた。
 これは並ぶと時間が掛かるかと考えていると、猫耳しっぽに肩出しへそ出しという出で立ちの裕奈が声を掛けてくる。
「あ、兄ちゃん! 見にきてくれたの?」
「ああ、でも時間が掛かりそうだなと……って、なんつー格好してんだ」
「客寄せ客寄せ♪」
 悪びれない裕奈。ミステリーツアーという事で、妖怪をイメージしているそうだ。
 周りを見ると、客寄せしている桜子達も似たような露出度だった。
 横島はそれを見て「ああ、これは客も寄ってくるわ……」と心底納得した様子で呟き、アスナに手をつねられたりしている。
 それはともかく、千草の厚意でこちらに顔を出せたのだ。あまり時間を掛け過ぎるのもまずい。
「時間掛かり過ぎるのもまずいよね。関係者枠で入る?」
 ここは盛況なのを見届けるだけにして帰ろうかと考えていると、事情を察した裕奈が助け船を出してくれた。
「いいのか?」
「さっきネギ先生にも同じように入ってもらったし」
「別の意味でいいのか?」
「大丈夫、大丈夫! ネギ先生は担任枠で入ってもらったし、兄ちゃんは監修者チェックって事で」
「ちょっと待て、マジでいいのか?」
 そもそも魔法使い達の情報公開の準備に一年掛けるのには、未成年で無免許の魔法先生ネギの存在にも理由があったはずだ。子供の彼が教壇に立っている事は、あまり知られてはならない。
 アスナもそれに気付いたようで、二人の間に割って入った。
「ちょっと裕奈、それ周りに知られてないでしょうね?」
「そういえば桜子が、並んでるお客さんに先生って説明してたよーな……」
「ちょっ!?」
 詳しく話を聞いてみると、軽く言ったので多分冗談と受け取られたのではないかとの事。
 一般客の前で「ネギ先生」の事はあまり喋らないよう皆に伝言を頼み、横島達は監修者チェックという名目で入らせてもらう事になった。
 名義を貸しているのは確かだし、本番でうまくいっているかどうか見ておくのもいいだろう。
 実のところオカルト関連は全てチェックしているが、ほとんど科学技術によるものなので全貌を知っている訳ではない。
 超と葉加瀬が揃って「ノリノリでやった、反省はしない」と言い放つレベルらしいので楽しみでもあり、怖くもあった。

 さて、この3−Aの面々が全力で作り上げたマジカルミステリーツアーだが、アトラクターが五人ほどのグループを連れて進んでいく形式になっている。
 アトラクターはオカルト研究部の部長であり、参加者は部員。七不思議の伝説について調べるために旧校舎にやってきたという設定だ。
 中に入ると古臭い校舎の玄関ホールに出た。木製の下駄箱に挟まれた通路には濃い色のセーラー服を着たアキラの姿がある。彼女が横島達を担当するアトラクターなのだろう。
 スカートの丈も長く清楚な女学生といった出で立ちだ。アスナが自分のクラスのパパラッチとは違うと思ってしまった事を責めてはいけない。
「えっと、ここからは役に入る……って事でいいかな?」
「それじゃあ、よろしゅう〜♪」
「コホン……この旧校舎探索に参加してくれて嬉しく思う。君達も知っていると思うが、この旧校舎には七不思議の噂がある」
 小さく咳払いをしたアキラは、キリッとした表情になって説明を始めた。なかなか堂に入った演技だ。
 きっと彼女は楚々とした外見とは裏腹に、強い意志と行動力を以って部員達を引っ張っていく立派な部長なのだろう。
「しかし、確認できた噂は六つしかない。窓に浮き出る女の手、追い掛けてくる血塗れの女学生、妖怪逆さ女に――」
「女の子ばっかやなぁ……」
「――ここは昔、女子校だったんだ」
 アキラ、意外にもアドリブに強かった。
「それに、廊下の向こうで微笑む幽霊、斧ブルマと鎌ブルマ――」
「ブ、ブルマってとこが旧校舎な感じなのかしら……?」
「え、こっちじゃ古いんですか? アリアドネーもブルマなんですけど」
「ウルスラもそうなんだけど、他では聞いた事無いのよねぇ……」
「……続けていいかな?」
「あ、ゴメン……」
 でも脱線されると涙が出ちゃうのである。
「七つ目の不思議は、誰も知らない……。私達でそれを見つけよう!」
「「「おーっ!!」」」
 アーニャと月詠とコレットが、片腕を突き上げ元気よく返事をする。そのノリノリの反応を横島とアスナは微笑ましそうに眺め、アキラもどこか満足気だった。
 それからアキラは皆を先導して二階に上がっていく。
 ちなみに一階の廊下は、片方は板が打ち付けられていて閉じており、もう片方は机を乱雑に積み上げて通れなくしていた。
 階段の踊り場に着いたところで、アーニャが横島の腰にひしっとしがみついて来た。
「どうした?」
「い、今、机の向こうに人影が……!」
 両者の違いは簡単である。積み上げられた机は向こう側が見えるのだ。
 アーニャが見たのは、薄暗い廊下の奥にぼんやりと浮かび上がるセーラー服姿の女。
「それはきっと七不思議のひとつ『廊下の向こうで微笑む幽霊』だ!」
「えーーーっ!?」
 アキラの言葉と同時に建物が大きく揺れた。
 実はここ、参加者の誰かが廊下の幽霊に気付けば今のパターンで、気付かなければ「今、誰かがいなかったか?」というセリフと同時に建物を揺らすパターンに進むようになっていたりする。
 そして二階の廊下に出ると、旧校舎の構造が分かってきた。
 ここは中庭を囲むような形で建てられているようで、横島達の現在位置は校門側の左。右側へは、やはり渡り廊下が瓦礫で塞がれていて行けないようになっていた。
「ていうか、広くない? 超達が本気出したとは聞いてたけど……」
「最近流行りの『ヴぁーちゃるりありてぃ』ってやつやろか……?」
 外から見た建物の大きさよりも広い気がするが、そこは超と葉加瀬のせいという事で納得しておこう。
 窓から空を見てみると、薄暗い霧のようなものに覆われていた。壁も廊下も薄汚れており、おどろおどろしい雰囲気を醸し出している。
「なんか寒くないか?」
「悪寒ってやつですなぁ〜♪」
 月詠はそれが空調である事も分かっている。しかし、ここはあえて雰囲気作りのために乗ったようだ。
 雰囲気に飲まれたのか、段々と怯えた表情になってくるアーニャとコレット。
 それを見て月詠が恍惚とした表情を浮かべていたりするが、それはそれである。
「七つ目の不思議は、この旧校舎のどこかにあると言われてる。探してみよう」
 そう言ってアキラが一歩踏み出すと同時に再び大きな揺れが襲ってきた。
 同時に外が薄暗くなり、辺りをキョロキョロと見回していたアキラは真剣な表情で横島達の方に向き直った。
「予想外の事が起こってしまった。どうやら私達は旧校舎に潜む怨霊を怒らせてしまったらしい」
「えぇっ!? じゃあ、やっぱりさっきの本物……!!」
「早く逃げないと、君達も私も世にも恐ろしい呪いにとり殺されてしまう……かも」
 アキラが喋っている間にも揺れは段々と大きくなり、ドンという音と共に窓ガラスに白い手形が浮かび上がった。
 音に気付いたアーニャ達は、当然その手形にも気付いて顔を青くする。
「な、なによ、これぐらいただのトリックじゃ……ぴいぃぃぃぃっ!?」
 それでも虚勢を張ろうとしたアーニャだったが、直後窓全体に無数の手形が浮かび上がり、悲鳴を上げて横島に飛びついた。
「出遅れた……!」
「そんな事言ってる場合じゃないって、アスナー!?」
 作り物だと分かっていても流石に怖いのか、アスナ達も騒然とし始めたが、それを止めたのは横島でもアキラでもなく窓一面を覆い尽くす閃光だった。
「今度は何!?」
 光が収まったので窓の方を見てみると、白い手形は全て消えていて、向こう側の校舎にブレザー姿の女子生徒の姿が見えた。
「あの乳は……真名ちゃん!」
「判断基準そこですか!?」
 そう、その女子生徒は髪型も変えていて分かりにくいが龍宮真名だった。手には神通棍、どうやら彼女がGS役らしい。
 横島だけが気付いたが、その制服は昔の六道女学院のものに近いデザインだった。
「お前達、そこは危険だ! そのまま走り抜けろ! 私が援護する!」
「彼女の言う通りにしよう! さあ早く、私について来て!」
 アキラが駆け出し、横島達は慌ててその後を追う。アーニャは走れる状態では無かったため、横島が抱っこだ。
 すると駆け抜けていった後の教室から次々に血塗れの顔をしたセーラー服姿の千鶴と美砂と円、頭に斧が刺さった体操服姿の夏美、鎌が刺さった体操服姿の亜子が次々に現れて追い掛けてくる。
「きゃあぁ!!」
 更に天井からぶら下がった楓と風香が行く手を阻み、教室側の窓に勢い良く浮かび上がる先程よりも大量の手形が、そのままの勢いで窓を突き破って一行を捕まえようとしてきた。
「わひゃあぁ!? 手が出てきてわしゃわしゃーって! もきゃもきゃーって!!」
 隣の校舎を並走する真名はあの手この手で追跡者を祓い、妨害者を止める。おかげで一行は捕まる事なく、無事に校舎奥の階段まで到着。
「逃げるわよ! 逃げるわよ! ほら、早く!!」
「慌てないで、ほら、ここから脱出できそうだから、一人ずつ滑っていくんだ」
 階段は壊れていたが、滑り台のようになっていたので、そのままアキラの誘導に従って一人ずつ脱出する事ができた。
 なお、最後が滑り台なのは、階段のままだと慌てて転げ落ちる者が出そうだという超達の配慮である。

 滑り台の先はゴールで、学校の裏門のような場所になっていた。
 皆息が荒く、アキラは皆が呼吸を整えるのを待っている。
 一緒に走っていたはずなのに、疲れた様子を見せないのは、仕掛け側故の精神的余裕だろうか。
 ちなみにアーニャは、ずっと横島に抱きかかえられていたはずなのに一番疲れている。ずっと怖がって大声を上げていたからだろう。
「こ……怖かった……。内容聞いてたけど、思ってたより怖かった……」
「本格的でしたね〜……」
「でも、面白かったわぁ〜♪」
 三人ともミステリーツアーの内容に満足できたようだ。
「う〜ん……」
 しかし、ただ一人横島だけがアーニャを宥めながら首を傾げていた。
「横島さん、どうかしたんですか?」
「いや……なんか、真名ちゃんに違和感が。あの乳は間違いなく真名ちゃんだと思うんだが……」
「龍宮さんに?」
「あっ……」
 ここでコレットがある事に気付いて声をあげた。
 続けて紡がれた言葉が、横島の違和感に輪郭を与える。
「そういえば真名さん、今日は警備の仕事があるって言ってたような……」
「そうだ、真名ちゃん仕事だ。ここにいる訳ない」
「そういえば……気配が全くありませんでしたなぁ……」
「ひうぅ!? じゃ、じゃあ、あれ誰だったのよ!?」
 アーニャの反応を見てにんまりと笑う月詠。明らかに狙っていた。
 それはさておき、横島達の反応を見てアキラは小さく笑みを浮かべた。
「流石だね……。本当なら、ここで探索は失敗だけど皆無事で良かったって事で解散になるんだ」
「それでツアーは終了って事?」
「いや、そこから出たところで、今回の件について書いた学校新聞をもらって終わりだよ」
「へぇ〜」
 アキラはその新聞を一部持ってきてアスナに手渡した。
 それは六つの不思議に関するエピソード、裏設定などについて書かれたもので、読み物としても結構面白いものだった。
「最後の記事を見て。ほら、ここ……」
「ん? ……んん?」
 その記事を読んだアスナは、思わず確認するように紙面に顔を近づける。そして一言「やられた……」と呟いた。
 続けて読んだコレットは思わずしっぽをぶわっと膨らませ、月詠は「あらあら〜」と楽しそうに笑った。
 最後に横島とアーニャが一緒に読んでみると、そこには目元を横線で隠した真名の写真が載っており、見出しには大きくこう書かれていた。

「女子高生GS、除霊中の事故で死亡!!」

 記事の内容は、六不思議の怪を除霊しようとした女子高生GSが返り討ちに遭い、七つ目の不思議となって旧校舎を今もさまよっているというものだった。
 アーニャが再び横島にしがみついて離れなくなったのは言うまでもない。

 種明かしをすると、向かい側の校舎にいた真名は全て窓ガラスに映った映像だったのだ。
 こちら側の校舎の窓に手形を映したのと同じ装置である。
 そんな余裕は無かったが、落ち着いて見れば向こう側の教室の窓に真名の影は無く、窓ガラスが割れている箇所などで真名の姿が見えなくなっていた事に気付けただろう。
「一体誰が考えたのよ、この設定。仕掛け作るのばっか手伝ってたから知らないんだけど」
「ああ、裏面にスタッフが」
 アキラに促され、横島から学校新聞を受け取ったアスナは裏面を見てみる。

 シナリオ協力・設定考証:綾瀬夕映

 そこに書かれていたのは、アスナ達と同じく横島をマスターと仰ぐ『魔法使いの従者』仲間の名前だった。





つづく


あとがき

 美術部の展示が各校共同で行われている。

 レーベンスシュルト城に関する各種設定。
 関東魔法協会、及び麻帆良学園都市に関する各種設定。
 魔法界に関する各種設定。
 各登場人物に関する各種設定。
 アーティファクトに関する各種設定。
 これらは原作の表現を元に『黒い手』シリーズ、及び『見習GSアスナ』独自の設定を加えて書いております。

前へ もくじへ 次へ